妊娠には便秘がつきものです。それは、子宮の大きさで大腸が圧迫されるからです。そういう理由で妊娠中は、食物繊維が多い食事を心がけて不快な便秘にならないようにする必要があります。

今回は、妊婦さんのための基本的な便秘に関する情報、便秘解消のための気をつけることについて述べていきます。

便秘に関する問いに答える

まず、基本的な便秘に関する疑問に答えていきます。

便がでなくなってから何日が便秘なのか

「そもそも、便がでなくなってから何日目あたりから便秘というのか?」という疑問をよく聞きます。人によって排便の周期がまちまちだからです。ある人は1日に何回もあったり、またある人は3日に1回だったりと個人差が大きいです。

この疑問に、私の経験からお答えします。

私は、大腸検査をしようとして下剤を飲んでも便が出ないで困ったことがありました。それがきっかけで便秘入院したのです。そのときに内科の医師から言われたことは、「大腸で便の水分の再吸収があるのが便が出なくなってから3日目あたりからです」ということです。

便秘が長引くと、便の水分が吸収されてさらに便が硬くなって出づらくなります。さらに、便が長く腸内にとどこおることによって腸内環境が悪化します。悪玉菌が増えて不快な症状が起きてきます。こういった理由により、便秘であるかないかというのは3日目が一つの目安になるのではないかといえます。

もし、3日目を過ぎても便が出ない場合は、主治医に相談してなんらかの対処をした方がいいです。妊婦さんの場合は、体に負担にならない軽めの下剤などを処方していただく必要があります。

医師から薬を処方してもらった体験談

このことに関して知り合いの主婦の方にお聞きしました。この方は、便秘には全く無縁だったのに妊娠したときには便秘になったといいます。そこで、自分で勝手に対処してもいやだなと思って主治医から薬の処方をしてもらったのです。

その結果、なんとか便秘がひどくならないで無事に過ごせたのでした。便秘で苦しくなったら医師からなんらかの体に負担がない下剤を処方してもらうことも必要といえます。

便秘だとお腹の赤ちゃんに影響はないのか

何日も便が出なくて便秘だと不安になっている場合、「便秘であることで赤ちゃんに影響が出るのだろうか」と不安になるかもしれませんが、一般的には便秘で子宮が収縮しても胎児の発達には影響がないといいます。(参照元:ベビーカレンダー記事「便秘がひどいと胎児に影響はありますか?」)

また、便秘だと悪い細菌が体を巡って赤ちゃんに影響するのではないかと不安になるかもしれません。しかし、赤ちゃんがお腹にいるときはクリーンルームにいると同じなので細菌から守られているので大丈夫です。そうは言っても、以下のことが懸念されます。

  1. 便秘になると食欲がなくなったり、お腹が張って苦しくなったりするので辛い
  2. 便秘によってお腹まわりの血流が悪くなる
  3. 妊娠後期になると子宮収縮によるお腹の張りが出てきますが、便秘の張りと区別がつかなくなる
  4. もし、妊娠前から便秘がちだと妊娠中もおなかが張りやすくなるので注意が必要
  5. 出産のときに産道を赤ちゃんが通るときに、腸内細菌の影響が出る

こういった懸念があるので、妊娠中の便秘はできるだけ回避したほうがいいといえます。このことは次の「なぜ妊娠中は便秘に注意が必要なのか」で述べていきます。

なぜ妊娠中は便秘に注意が必要なのか

妊娠前から便秘気味な場合や、妊娠したら便秘に注意が必要な理由は、以下に示します。

1:ホルモンの影響、子宮が圧迫して大腸の働きが鈍くなる

まず、女性は便秘しやすい傾向にあるうえ、妊娠すると黄体ホルモンが分泌されます。このホルモンは筋肉を弛緩させ、腸の働きを鈍くさせます。さらに、子宮が大きくなるにしたがい腸を圧迫することも、大腸の働きを鈍らせる原因になります。

この他の理由として、赤ちゃんのことが気になっていきめなかったり、貧血の薬を飲むと便秘になったりする場合があります。

2:便秘から痔になると治療が必要になるから

便秘になってその後に痔になるとやっかいなことになります。それは、便秘になった後に排便時に便が硬くなって肛門が裂けて切れ痔になる可能性があるからです。排便のたびに切れた肛門が傷んだり、そこから出血したりして痔が悪化しないように治療が必要になります。

こうなると痔のケアをしないと出産時にちゃんといきめない場合があるので、しっかりと治療しましょう。

便秘にならないためには、どういった食生活にしたらいいのか

ここで思うのが、「何を食べることを心がけたらいいのだろう」ということです。もちろん、よく言われるように食物繊維を多く含むものなどになりますが、具体的にどういった食品なのかを知りたいと思うでしょう。

食物繊維の多い食品としては、野菜、海藻、イモ類、きのこ類、豆類、穀物などの植物性の食品です。なんといっても基本は「腸を整える12のリストで便秘解消!」の記事を参考にします。以下にその記事をまとめたものを引用しておきます。(青色の字で示したものが便秘解消に効果があるものです。)

  1. オリーブオイル(硬い便をやわらかくする)
    • エキストラバージンオイルにする
    • ポリフェノールを多く含み健康効果が期待できる
    • オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸は、小腸で吸収されづらく腸管内に多く残るので便がやわらかくなる
  2. グルタミン酸(腸管運動を促進する効果)
    • うまみ成分に含まれているグルタミン酸は消化管の主要なエネルギー源となる
    • 大豆性食品を摂るようにするといい
    • グルタミン酸を含む製品:納豆、豆腐、味噌、醤油
  3. マグネシウム(便をやわらかくする)
    • 摂取した酸化マグネシウムのうち40%~60%は腸管内に吸収されずに残る
    • 腸の水分吸収が阻害され、腸に水が残るため便をやわらかくする
    • マグネシウムを含むもの:にがり、ミネラルウォーターの硬水、緑黄色野菜、種実類、豆類、海藻類など
  4. 食物繊維(排便をスムーズにする)
    • 食物繊維は、水に溶けるか溶けないかで分類される
    • 前者は「水溶性の食物繊維」で後者は「不溶性の食物繊維」
    • 基本的に日本人は水溶性の食物繊維が不足しがちなので意識して摂取する
    • 水溶性の食物繊維を多く含むもの:納豆、きのこ類、柑橘類、りんご
  5. オリゴ糖(ビフィズス菌を増殖させる)
    • 善玉菌であるビフィズス菌の栄養となってビフィズス菌を増やす働きがある
    • 具体的な目安として1日に3〜5g程度
    • オリゴ糖を含むもの:果物や豆乳など、オリゴ糖単体でも市販されている
  6.  植物性乳酸菌(腸の機能回復を助ける)
    • 植物性乳酸菌は植物由来の漬物や果汁、穀類などにて生育する
    • 酸やアルカリ、温度変化に強く、過酷な環境であっても生き続け、生きたまま腸に届きやすい
    • 植物性乳酸菌を含むもの:ぬか漬け、しば漬け、野沢菜漬け、味噌、甘酒、キムチ、ザーサイ、サワーブレッド(ライ麦パン)、ザワークラウト(キャベツの酢漬け)
  7. ペパーミント(残留ガスを排出する)ハーブの中には妊婦さんが控えた方がいいものがあるので注意が必要
    • 腸の動きが悪い停滞腸の人や便秘の人には、ガスがたまって腹部膨満感(お腹の張り)がある
    • ヨーロッパ諸国では、この腹部膨満感にはペパーミント・ウォーターの摂取が勧められる
  8. 水(胃・直腸反射を促進する)
    • 目覚めのコップ一杯の水が便秘の解消に効果的
    • これは、何も食べ物が入っていない状態の胃に水が入ることによって胃が刺激されて大腸に「蠕動運動(ぜんどううんどう:食べ物が消化されたものを腸の中で移動させたり便を体外に出す動き)をしなさい」という信号が送られることによる
    • 夏の発汗する季節などでは水分量が不足しがちなので、いつもより水分を多くとる
  9.  薬剤(酸化マグネシウム:排便力を増強する)←これは便秘になったときに使う
    • 下剤として使われる酸化マグネシウムは塩類下剤の一種
    • 腸内で水を引っ張って便を柔らかくする性質から、便秘薬として使われる
  10. ビタミンC(腸の蠕動運動を促し、相乗効果が期待される)
    • ビタミンCは体内で酸として作用し、腸の蠕動運動を活性化させる
    • ビタミンCを多く含むもの:ピーマン、ゆず、レモンなど
  11. マッサージ(お腹を刺激することで、腸の働きをよくする)
    • 食生活だけでなく、実際に腸に刺激を与えるマッサージも有効
    • 便秘解消にいろいろなマッサージがある
  12.  ウォーキング(酸素を取り込み元気な腸にする)←妊婦の方は無理をしないで散歩程度に捉える
    • ウォーキングにおいて効果的な歩き方
      • 準備体操をして水分補給をする
      • 歩幅をやや広くし腕を大きく振る
      • だいたい30分前後にして軽く汗をかく程度のスピードを保つ

(引用元:腸を整える12のリストで便秘解消!

このリストを見ていただいても分かる通りに、「便秘対策の基本は和食にすること」という意識を持ちましょう。また、自律神経を整えることをも意識しましょう。以下に、その四つをリストアップします。

  • 深い呼吸をする(吸うときを1とすると吐く時は2の割合でする)
  • 腸内環境を整える(乳酸菌と食物繊維を摂取する)
  • 首をあたためる
  • 睡眠の質を良くする

 (引用元:自律神経を整えて便秘と冷えを解消する4つの方法)

実際の体験を聞いた結果

実際に妊娠した経験のある方で身近な人3人に聞いた結果わかったことがありました。それは、妊娠で便秘になるというのは個人差が大きいということです。以下にその体験談を短く載せます。

  • ある人は、全く妊娠中も便秘しなかったといわれました。食事も量は少なめだったし、運動もさほどしなかったというのです。
  • もう1人の方は、今まで便秘はしたことがなかったが、妊娠中に便秘になって薬を処方されたり、食事の指導もされたりしたといいます。運動も心がけてするようにということでした。
  • さらに、もう1人の方は、妊娠中に便秘気味にはなったが、食事指導や運動などを気をつけたら特別に薬を飲む必要もなかったというのです。

この体験談より、三人三様であることがよくわかります。全員に共通していることは、「食事は食物繊維が多いものを摂ること」と「運動をすること」の2点の指導が医師からあったということです。

まとめ

ここまで、基本的な妊婦さんの便秘に関する疑問に答えてきました。便秘だからといって赤ちゃんに影響はないということがわかりました。そうであっても、便秘になると妊娠して体に負担がかかっているうえに便秘の苦しみが増しますから、そうならないように普段から気をつけていきましょう。