便秘を解消したいとき、食物繊維をとることに意識が向きます。しかし、多くの人は食物繊維について詳しいことを知りません。「食物繊維さえとれば間違いない」と思い、便秘解消のためにできるだけ多く食物繊維を食べようと努めることが大切と思われています。

ただ、やみくもに食物繊維を食べればいいわけではありません。食物繊維によっては、便秘症状を悪くさせることがあるのです。そこで、「どのような形で食物繊維をとればいいのか」を考えていきます。

食物繊維の神話が崩される

旅行に行くと普段の生活とは違った環境と生活リズムになります。加えて飛行機を使う場合、時差などの影響をもろに受けます。こうしたとき、便秘がちな人はお通じのトラブルがついて回ることになります。

私があるツアーで中東に旅行したときのことです。私は、普段から便秘しやすい傾向にあるので「お腹に穏やかに働く下剤」を常備して旅行します。このとき持っていったのは、赤ちゃんにも使えるという「ミルマグ」という酸化マグネシウムの液体です。

赤ちゃんにも使えるということで安心できます。そのときの便秘状態をみながら、量を増やしたり減らしたりして調整します。

それに加えてオリーブオイルをもっていきました。

なぜオリーブオイルかというと、オリーブオイルは地中海地方では民間の便秘薬として重宝されているからです。私は、オリーブオイルを旅行の必須携帯品にしてました。

ちなみにオリーブオイルの主成分であるオレイン酸は、短時間に比較的多めに飲む(15〜30ml)と小腸では消化・吸収されないので大腸に届きます。そうすると、オリーブオイルがちょうど便の潤滑油となって排便がスムーズになります。

便が詰まり気味だと思うとき、私はオリーブオイルを朝に飲み、夜に決まった量のミルマグを飲みます。すると、朝はお通じがあります。これがいつものパターンだったので、オリーブオイルをもっているだけで安心します。

食物繊維を意識して食べても便秘になることがある

今回のツアーの食事は、バイキング形式のものでした。いろいろな食べ物が並ぶ中、自分の好きなものをとって食べる形式です。旅先でもありますから、できるだけ食物繊維が多い野菜などを多くとり、肉と油っぽいものは一切とらないということを心がけていました。

ただ、それだけ気を使っても次の日にお通じがありませんでした。ツアーのプログラムは、朝早くからずっとハードです。砂漠地帯を歩くこともあって、体力も使います。

そこで、夜にミルマグをいつもの量を飲みました。しかし、翌朝も便通はありませんでした。当然、オリーブオイルも飲みます。ただ、それでも次の日にお通じがないので不安になりました。そこでミルマグの量を増やしました。これで、ようやくお通じがあったという感じです。

「意識して食物繊維をとったのに、なぜ便秘になったのだろう」という疑問がありました。食物繊維のない肉類などは一切食べていないのに、なぜなのだろうと疑問がわいてきたのです。

食物繊維は2種類あることがわかる

便秘外来の医師によると「食物繊維は、とりすぎると便秘を悪化させることがある」というのです。「食物繊維が体にいいからといって、何でもいいからやみくもにとる」ことは避けたほうが好ましいのです。

まず私たちは、食物繊維には、水溶性の食物繊維と不溶性食物繊維があることを知ることが重要です。

水溶性食物繊維

水溶性食物繊維とは何でしょうか。イメージ通り、水溶性食物繊維は水に溶ける性質を持った食物繊維です。

水に溶けるとドロドロになり粘りがでる状態になり、便が腸を移動しやすくします。保水性も高いので、便の水分量を増やして柔らかくするため便通がよくなります。また、小腸での栄養素の消化吸収を抑える働きがあります。

不溶性食物繊維

一方、不溶性食物繊維は水にほとんど溶けません。不溶性食物繊維は胃や腸で水分を吸収して大きく膨らむので便の量が増えます。また、腸を刺激するので、蠕動運動(ぜんどううんどう)を活発にし、便通を促します。これにより便の消化管を通過する時間が短縮されます。

さらに不溶性食物繊維は、腸の中でダイオキシンなどの有害物質を排泄するデトックス効果もあります。

ただ、便秘のときに不溶性食物繊維を食べ過ぎるとコロコロ便になることもあります。

腸の状態によって食物繊維のとり方が違ってくる

食物繊維をとるとき、水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も重要です。

ただ、腸の状態によっても食物繊維のとり方が違ってくることを、私たちは知っておく必要があります。下痢のときと便秘のときでは必要な食物繊維が全く違います。

なお、便秘も弛緩性便秘と痙攣性便秘の2種類ありますから注意が必要です。

弛緩性の便秘のときは、不溶性食物繊維で刺激があってもいい

弛緩性便秘とは、腸の周りの筋肉が緩み、腸の動きが弱くなって、便の押し出しが悪くなった状態を指します。こうした状態に陥る原因としては、次のことが考えられます。

1:大腸を動かす筋力の低下によって蠕動運動(便を肛門へ押しやり出そうとする運動)が不十分になる

2:加齢とともに内蔵の垂れ下がりによる腸がゆるむ

3:ダイエットによる筋力の低下

4:腸内に便が長く滞在することによって水分が取られて便が硬くなって押し出しづらくなる

弛緩性便秘のとき、腸の筋力低下によって活動が不活発になるという理由から、腸に刺激が必要になります。そこで、食物繊維の中でも腸を刺激する不溶性食物繊維をとります。不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を吸収して大きく膨むことによって腸を刺激します。

注意点として、水分を十分に摂取することがあります。また、不溶性食物繊維は水に溶けない性質のために、とりすぎると便が硬くなります。

また、毎日腹筋などをして腸によって便を押し出す力を強くすることが大切といいます。腸管や腸粘膜にも毛細血管がはりめぐらされているため、運動することによって腸の血液循環もよくなります。腸の消化・吸収の働きとともに免疫力も上がります。

腸を刺激しやすい食品は適度にとっていいです。腸を刺激する食品としては、アルコール、香辛料、炭酸飲料、冷たい飲みものなどがあります。

痙攣性便秘は、不溶性食物繊維は控えめにします

痙攣性便秘はストレスによって自律神経の乱れが起こることによって、腸管自体がけいれんして便が出にくくなった状態です。

痙攣性便秘では下痢と便秘を繰り返したり、コロコロとした便が出たりするなどの症状があります。痙攣性の便秘では、腸が働きすぎていることが原因なので、強い便秘薬の使用は控える必要があります。それと同時に、不溶性の食物繊維は刺激になるので控えます。

つまり、痙攣性便秘のときに不溶性食物繊維を食べると症状が悪化します。また、腸を刺激しやすい食品は控えめにするようにします。

下痢のときは、水分をとって刺激の少ないものを食べる

なお、便秘を解消しようとするあまり強い薬を服用したり食物繊維を食べ過ぎたりすると、下痢になることがあります。そのため、下痢について知ることも重要です。

下痢のとき、不溶性食物繊維の多いもの(豆・芋類など)は少なめにする必要があります。不溶性食物繊維は腸管を刺激するのでたくさん食べないようにするのです。

また、刺激性のあるものだけでなく、アレルギー性のあるもの(牛乳、卵、魚、貝、油脂の多い食品など)も避けましょう。

下痢のときは食事量を少なくして、刺激の少ないものを意識的に食べることを心がけるといいです。

同じ食品であっても両方の食物繊維が含まれている

食物繊維は2種類あると分かって意識して「水溶性の食物繊維をとろう」、「不溶性の食物繊維をとろう」とするときに混乱しやすいことがあります。それは、「1つの食品は、両方の食物繊維を含んでいる」ということです。

水溶性の食物繊維だけの食品はないし、不溶性の食物繊維だけの食品はありません。

例えば、ごぼうは水溶性の食物繊維と不溶性の食物繊維の両方が含まれています。一見、ごぼうは不溶性の食物繊維だけに感じられますが、そうではないのです。意外にもごぼうに含まれる食物繊維はバランスがいいといわれています。

私は、ストレスを感じやすく自律神経が乱れやすい体質なので、痙攣性便秘に注意しています。そこで、腸への刺激が少ない水溶性食物繊維をとることを意識的に心がけています。このとき、食品それぞれに含まれる水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の割合をインターネットで調べて参考にしていました。

例えばミルクココア(粉)は、水溶性食物繊維が100g中1.3gとあったので「水溶性食物繊維が多く含まれている飲みのもだ」と思っていました。しかし、よく調べてみると水溶性食物繊維に1.3gの他に、不溶性食物繊維が100g中4.2g含まれるとありました。ココアは、不溶性食物繊維を多く含む食品だったのです。

このように、一時期は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の含有率に神経質になったときがありました。

しかし、こうなると本末転倒です。「この食品は水溶性の食物繊維がどれくらいで不溶性の食物繊維がどれくらいだ」といちいち調べて考えなければいけないのでは、それ自体がストレスになります。

脳と腸は連動しているため、体にいい食品を探していることがストレスになって便秘が悪化するのでは困ります。食品に含まれる食物繊維を考えるということは面倒なことでもあります。

また、ダイエットなどの影響で食べる量が少なく、腸に活発に動いてもらいたいときは、水分を十分にとりながら不溶性食物繊維をとることもいいでしょう。

ただし、便秘外来で有名な小林弘幸医師は、「全般的に水溶性食物繊維は足りない傾向にあるから、意識的にとったほうがいい」と勧めています。普段から、不溶性食物繊維より水溶性食物繊維を意識した食事にすることがいいのです。

代表的な食物を知っているだけでいい

そこで、「代表的な食品を知っているだけでいい」と考えるようにしましょう。例えば、水溶性の食物繊維を多く含むのは海藻類です。海藻類であれば、わかめとひじきが代表です。

また、腸に水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく届けるくだものがプルーンです。

なおバナナは意外にも水溶性の食物繊維は少ないのですが、腸内環境を整えるオリゴ糖を多く含んでいるという理由から全体的にお通じに良い効果があります。また、カロリーも低めです。

アボガドは水溶性食物繊維が多く、油分も豊富なため便秘にはいいといわれます。ただし、ほとんどが不飽和脂肪酸という良質な油分ですが、高カロリーでときにアレルギーを起こすという理由から食べ過ぎには注意が必要です。目安としては1日半個といわれます。

納豆はたんぱく質を多く含み、低カロリー、なおかつ水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の割合が1:2と理想の形に近くおすすめです。納豆は不溶性食物繊維の方が比率的に大きいですが、「理想的な水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の比率は1:2」といわれているため、理想の比率をもっているといえます。

腸によいといわれる代表をいくつか知って、それらを摂取していれば問題ありません。あとは、あまり気にしないで食べればいいです。

食物繊維を意識はするが、食事も楽しくいただく

「体にいいといわれる食物繊維でも、とり過ぎるとかえって便秘を悪化させる」ということを知っていることは大切です。食物繊維が便秘を悪化させるときというのは、便秘がちな人が不溶性食物繊維をとりすぎたときです。

お腹にガスが溜まってお腹が張り、それまで溜まっていた便の水分が吸収されて硬くなり便が出にくくなるのです。

そこで、自分の状態によって必要なものを選択していきましょう。

おすすめは、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスのよいものをいくつか知って、それらを常日頃取り入れた食事をして、あとは食べたいものを食べることです。

私の場合、毎日の食事では朝にバナナ、ヤクルト、ヨーグルト、げんきな(「おかわかめ」をさらに特殊栽培したもので水溶性食物繊維が豊富)もしくはわかめをスムージーにして飲みます。納豆はできるだけ毎日食べます。

朝のスムージーに入れるものと玄米コーヒー

週3日程度でわかめは味噌汁にして食し、日によってひじきは朝たまごと一緒にスクランブルエッグにします。あと、毎食時に玄米コーヒー(玄米を焙煎したパウダー)をお湯に溶かして飲んでいます。

多少便秘気味のときは、プルーンや乳酸菌のサプリなど併用します。ストレスによっての便秘では、乳酸菌のサプリや水溶性食物繊維を増やす工夫をすると同時にオリーブオイルを併用します。下痢のときは、おかゆなどにして刺激性のないものを極力とるようにします。

こうすると食事を楽しみながら腸にもやさしくできます。

腸内細菌サプリを活用した腸活生活

便秘は非常に多くの人が悩みます。私も便秘に対してかなり苦しみ、入院したことさえあります。そのため薬を服用したり、生活習慣を改めたりしていろんな対策を行いました。

そうしたとき、非常に有益なものとして腸内細菌サプリがあります。腸内環境を整えることで、薬に頼らずに腸活生活を行うことができます。

ただ、腸内細菌サプリメントは非常に種類が多いです。そこで、以下でどのようなサプリメントが適切なのか解説していきます。